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No.17 赤城山(黒檜山)/2010年8月7日
【 交通ルート 】

自宅 [ 茨城県南 ] → 常磐道 → 関越道・前橋IC → 赤城山ビジターセンター

【 山行ルート 】

駒ケ岳・黒檜山登山口 → 駒ケ岳 → 黒檜山 → 下山

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土曜日は、赤城山(あかぎさん)に行ってきました。

メンバーは、わかなちゃんと僕の2人です。

今回の登山の目的のひとつとして、もうじき富士山に登るにあたって、わかなちゃんも事前にどこかの山に登っておいたほうがいいんじゃないかということになり、赤城山に登ることになったのです。

 
 

普段なら山に行くのを嫌がるわかなちゃんですが、今回は富士登山前の練習も兼ねた山行だったので、快くOKの返事をしてくれました♪

赤城山は、関東地方の北部、群馬県のほぼ中央に位置する大きな火山で、山頂部には多くの峰々がそびえています。赤城山という名前のピークはなく、山域を総称して赤城山と呼びます。その中でも、ひときわ高くそびえる最高峰が黒檜山(くろびさん)です。

今回は、この黒檜山のピークを踏むコースで登山をしてきました。

午前4時30分起床。準備を済ませて5時30分に出発。

時間通りに出発できたので、余裕で現地に到着できるかと思いきや、鶴ヶ島IC から嵐山小川IC 付近まで15Km ほどの長い渋滞…。

渋滞で眠気が襲ってきて、三芳PA に立ち寄って休憩♪ ドラマ「ホタルノヒカリ2」に感化され、「イベリコ豚のコロッケ」を食べました。あまぁ~くてすごくおいしかったです。

嵐山小川IC を過ぎると渋滞が緩和され、そこから前橋IC まで一気に突っ走ります。高速道路を降りた後、一般道を約30Kmほど走ると目的地である赤城山ビジターセンターに到着しました。気温は、23度でした。

午前9時には到着しておきたかったのですが、30分遅れの9時30分に到着。準備を済ませて9時45分にハイキングを開始。

まずは準備運動も兼ねて、ミニ尾瀬とも呼ばれる高層湿原、覚満淵(かくまんぶち)を木道沿いに1周します。

覚満淵はとてもキレイなところなのでお勧めです。1周、約30分ほどで歩けるので、できれば体力のあるうちに先に行っておくことをオススメします。



池塘もあっていいところです。



覚満淵から一旦、一般道に出て、再び林道を通って商店街のある場所に到着しました。目印となる「見晴館」の建物を発見。

今回の登山は、周遊コースで周る予定なので、駒ヶ岳登山口黒檜山登山口のどちらからでも出発することができました。

当初の予定では、黒檜山登山口から登る予定でしたが、商店街から駒ヶ岳の登山口がすぐそばにあったので、予定を変更して駒ヶ岳登山口から登り始めました。



序盤から、いきなり急登で始まります。木製の階段がよく出てきます。坂道を普通に登っていくよりも、階段の方が確実に足に負担がきます。でも、わかなちゃんの表情はまだ明るいので安心です☆



写真の見た目以上に傾斜のきついところが多く、徐々に体力が奪われていきます。



高度をぐんとあげてきたところで、木々の合間から先ほど歩いた覚満淵がちらりと顔を覗かせました。



最初の目的地でもある駒ヶ岳にも到着しないうちに時刻はすでに12時20分をまわり、ベンチのある休憩所にさしかかりました。天候は晴れていますが、次第にガスがかかりはじめてきて、時間帯によっては先がまったく見えない状態になります。



わかなちゃんと僕は、セブンイレブンであらかじめ買っておいたおにぎりをひとつづつ食べて、腹ごしらえしました。

少し体力が回復したところで、体が冷えないうちに駒ヶ岳山頂を目指します。歩いていくうちに、小沼方面が良く見える展望の良い場所にさしかかります。



流れてくる雲がひんやりとしていて気持ちが良い。



遠くのほうに小沼が見えましたが、ガスがかかってきて、はっきりと見ることはできませんでした。



そこから歩くこと約10分。駒ヶ岳山頂に到着です!標高1685m のこじんまりとした頂上です。ここからも小沼方面の展望が開けているはずなのですが、ガスがかかっていてなにも見えませんでした。


駒ヶ岳は、あくまでも経由地なので先を急がなければなりません。わかなちゃんと僕は、駒ヶ岳では休憩をせずに先を急ぎます。

ここからは、せっかく登ってきた駒ヶ岳をいったん下り、黒檜山に登っていかなければいけないので体力を消耗します。駒ヶ岳を下りきったところで後ろを振り返ると、先ほどまで自分たちがいた駒ヶ岳の山頂が見えていました。



ここまでは良かったのですが、次第にわかなちゃんの体力がなくなってきて、どんどんスローペースになっていきます。呼吸もハアハアと荒くなり、少し歩いては立ち止まり、少し歩いては水分補給を繰り返しました。

ここで危険なのは、わかなちゃんが熱中症になって動けなくなってしまうこと。熱中症にならないよう、こまめに水分補給をさせて、自分のペースでゆっくりと登るようにと励ましました。

途中、このまま登らせるのは危険かもしれないと本気で思った瞬間がありましたが、山頂まではあともう少しというところでUターンを考えるよりも、頂上で昼ご飯休憩をとってから下山を考えたほうが体力的には楽だろうと判断し、とりあえずは黒檜山の頂上まで頑張ってもらうことにしました。

20分ほど歩くと黒檜山大神の石碑が現れます。そこからの眺めはとても素晴らしく、自分が雲の上にいるような錯覚に陥りました。



たかだか1800m ほどの山にして、ここまでの高度感を感じたのは今回が初めての体験でした。わかなちゃんと僕は「よくここまで頑張ったね!」と一緒に感動を共有しあっていました。



ですが、黒檜山の山頂まではあと200m ほどあります。あともう少し。わかなちゃんはすでにヘトヘトにへばっていました。

その200m の道のりで子供の登山者に逢い、「あと50mぐらいだよ!」という言葉に励まされ、ついにわかなちゃんと僕は黒檜山の頂上へ到着しました!わーいわーい!

わかなちゃん、滝汗を流しながらよく頑張ったね おめでとう~!
頭をなでなでしてあげました。



山頂に着いたら、持参してきた定番のラーメンを食べます♪ いつもワンパターンなラーメンメニューだけど、これがまたうまいんだなぁ~。

ラーメンを食べるといままで失われた体力が一気に回復する思いがします。

昼食をとった後、山頂から5分ほど先へ進んだ場所に、展望の開けた場所があるというので一人で行ってきました。わかなちゃんは、下山時の体力を温存しておくというので、少しの間、山頂で休憩してもらっていました。

その展望台は、とても見晴らしのよいところで文句なしに素晴らしかったです。



晴れていれば、遠く日光の山々まで望めます。



樹林に隠れてはっきりとは見えませんが、大沼も見ることができます。冬ならさらに展望バツグンかもしれません。



15分ほどでわかなちゃんのところへ戻り、そこからいよいよ下山です。下山開始時刻は、15時40分。時間がおしているので、すこしペースを上げてくだらなければいけません。

まぁ、下りは降りるだけだから楽勝だろうと思っていたらところがどっこい!!わかなちゃんは大苦戦!

なにが苦戦って、とにかく上から下までずっ~と岩だらけの登山道をくだっていかなければならないのです。

僕の場合、こういった足場の悪い道を歩くのは場数を踏んでいる分だけ慣れているので、スイスイ~とくだれるのですが、わかなちゃんはそうはいきませんでした。

高低差のある岩を下るのに一苦労!腰はへっぴり腰になっていて危なっかしいったらありゃしない。背が低いデメリットを、トレッキングポールでカバーするように指示しても、どうも上手に使いこなせていない感じ。

わかなちゃんが滑落・転倒しないよう、僕が前に歩いて、サポートしながら下っていきました。

わかなちゃんにはもはや、写真を撮る余裕などなく、僕もわかなちゃんにつきっきりで写真はまったく撮りませんでした。というのはウソです(笑)。木々の合間から見えた大沼をちょこちょこ撮っていました♪



下山道の岩場はとても長く、わかなちゃんには恐ろしく長い時間に感じられたことでしょう。いつまで経っても出口が見えてこず、ひたすら岩場を下らなければいけませんでした。

一向に見えてこない出口に、わかなちゃんは次第に焦り始め、半べそをかきはじめました。パニックに陥りはじめているわかなちゃんに冷静さを取り戻させるのはとても大変なことでした。

下界にある大沼がすぐそこまで見えているのに、なかなかゴールがみえない。道は徐々にわかりづらくなり、どっちに進めば良いのか悩んでしまうような分岐点もいくつかありました。

若干、僕も道を間違えたかなと思うようになり、少しだけ焦りを感じ始めていましたが、僕が焦っていることがバレたらわかなちゃんはもっと焦ってしまうだろうと思い、僕は努めて平静を装うようにしていました。

希望の光は、太陽の光のみ。太陽が沈んでしまったらヘッドライトで下るのは容易なことではない。非常用テント(ツェルト)を持ってきているが、これはあくまでも最後の手段にしたい。


わかなちゃんは、

「どこが初心者向けなのよ!とっし~にだまされた!」

「もう山には二度とこない!これが最後!」

「今日1日で、汗を流して体中の水分がすべて入れ替わったと思う…」

「わたし、もうここで死んだほうが楽だと思う…」


などの弱気な迷言(笑)を吐きながらも、一生懸命に下っていきます。

わかなちゃんは、焦れば焦るほど足に踏ん張りがきかなくなり、なんでもないところで滑ったり、転んだりして、お尻や手が泥んこで真っ黒。

傍から見て明らかに動揺しているのが見てとれたので、「パニックにならないで!パニクったら余計にケガするよ!下らなきゃ帰れないんだから頑張ってっ。」と、彼女の心を静めるようにしました。

そして、頑張った甲斐もあって、下山中に初めて見かけた登山者の影。親子連れの登山者でした。彼らにあとどれぐらいで下山できるかたずねたところ、「もうすぐそこですよ」と教えてくれました。

遠くをみやると、もうすでに車が道路を走っているのが見えていました。わかなちゃんもすこし元気になり、「ラストスパートだよ!最後の最後でケガしないようにね!」と励ましながら、ついに僕たちは下山をすることができました。



わかなちゃんは、ホッとしたような表情になり、

「もう生きて帰れないかと思った…」

と、言っていました。下山道の所要時間、2時間20分かかりました。地図にのっている一般的なコースタイムは1時間10分なので、約2倍の時間をかけて降りてきたことになります。

僕にとってはなんでもない普通の岩場だったのですが、こういった登山道がはじめての経験のわかなちゃんにとっては、とてもツライ道のりだったと思います。

僕の調査不足が原因で、わかなちゃんに大変な思いをさせてしまってかわいそうなことをしてしまったと反省しました。もう少し、わかなちゃんの実力に見合った山を選ぶべきでした。わかなちゃんは、運動音痴なところもあるので、普通の人の感覚で考えてはいけないと強く思いました。

わかなちゃんは、今回の山行で少なからず山の怖さを知ることになったことと思います。どんなに初級の山でも、突然にして恐ろしい山に変化します。山に入るときは常に怖さを感じるようにならなければいけません。

怖さを知ることでこそ、自分の登山レベルがあがっていくものなのです。裏を返せば、怖さを覚えなければいつまで経っても初心者を抜け出すことはできないのです。

下山後は、舗装されたアスファルトの道路を20分ほど歩き、ようやく「見晴館」のところまで戻ってきました。

「下山したらお土産もたくさん買ってあげるし、なんでもおいしいものを食べさせてあげるよ!」と約束していたので、わかなちゃんは商店街のお店で、赤城山のバッジを買っていました♪ どうやらバッジを集めたいみたいです。

僕たち2人はくたびれて、のんびりと休憩していたところで、今度はわかなちゃんがブヨに噛まれて大変!! 最後の最後で油断して、足を露出してしまったものだから、足だけで7箇所も刺されてしまいました。

さされた箇所がだんだんと膨れ上がってきて、かゆくてかゆくてしょうがないみたいです。あまりのかゆさに、近くのお店に行ってムヒを借りて、お礼代わりに、そのお店で夜ご飯を注文しました。

「もとき亭」というお店で「切込みうどん」を注文しました。2人とも全く期待していませんでしたが、この切込みうどんがすんごくおいしくて、今日の疲れが一気に吹き飛ぶ思いがしました。とにかく、野菜盛りだくさんで、野菜のひとつひとつが味が染みていておいしいのです。



そして、ちょうど、うどんを食べ終えた頃に「ひゅ~!どかんどかん!」と、大きな花火の音が鳴り始めました!

そうです、なんと偶然にも今日は、毎年8月の第2土曜日に大沼で行われる花火大会の日だったのです!

夜空に浮かぶ花火がとてもキレイ。今日1日、大変だった登山がすべて夢の出来事だったかのようです。

わかなちゃんは、花火大会を至近距離でみるのは人生初めての経験だったそうです。開いては散っていく花火の散り際の美しさに、わかなちゃんは感動して涙をながしていました。

「花火を間近で見るとこんなに感動するんだね!」



わかなちゃんには、今日のツラかった出来事も走馬灯のように思い出されたんじゃないでしょうか。最後の最後で、わかなちゃんにとって心から楽しかったと思える1日になり、そして、ふたりともケガをすることなく、無事に登山を終えることができて本当に良かったなと思います。

これからも、当たり前のようにわかなちゃんが僕の隣にいて、辛いことも楽しいことも同じ時間を2人で一緒に共有していけたらそれが1番素敵なことなんだろうなと、舞い上がっては散っていく空に咲いた花びらを見ながら、僕は物思いにふけっていました。

登山中は弱気で半べそだったわかなちゃんだけど、下山したらいつもと変わらない、強がりで、意地っ張りで、わがままで、元気なわかなちゃんに戻ってくれて、僕はとてもうれしくなりました♪

きっと、わかなちゃんのこんなところが守ってあげたい気にさせてくれるんだろうなっ うんうん。

大沼に流された燈篭を背に、僕たちは帰路に着きました
楽しかった1日、あっという間の出来事でした。



家に帰ってきてからわかなちゃんは、頑張った証のバッジをブーフの帽子につけていました。これから、山のバッジがたくさん増えていくといいね☆



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