No.05 茶臼岳/2009年8月14日 |
2009年山行記一覧に戻る 日本百名山のひとつ、那須・茶臼岳(ちゃうすだけ)に行ってきました。 茶臼岳は、標高1915m。栃木県にある那須岳連邦の主峰で、現在もなお、蒸気と火山ガスを盛んに噴出している山です。茶臼岳の周辺には朝日岳、南月山、三本槍岳、黒尾谷岳だけなどの1500mを超える山々が連なっています。茶臼岳以外の山はすでに噴火活動を終えています。 今回は、茶臼岳と南月山(みなみがっさん)を縦走する予定でした。 朝に弱い僕は5時に起きる予定が6時起床。6時半で出発する予定が7時30分出発。この時点でだいぶ遅れをとっていましたが、途中まではスイスイ~♪ ところが館林から栃木インターのあたりで19キロの大渋滞。抜けるのに40分以上かかってしまいました。 そして、那須インターに到着したのが10時。ふむふむ、許容範囲だなと思っていましたが・・・なんと、那須インターから那須ロープウェイのある場所までわずか20km しかないのに、この20キロの区間で2時間30分もかかってしまったのだ。結局、那須ロープウェイに到着したのは 午前12時30分。家から現地まで合計5時間・・・。お盆渋滞をなめていた・・・。 こんなに晴れた日なのに、渋滞で駐車場にすらたどり着けないもどかしさでいっぱいでした。 途中にあった展望台で那須高原が見渡せます。 結局、これではふたつの山を縦走するどころじゃないぞ・・・と判断し、茶臼岳のみ登ることにしました。ちなみに、登るだけなら南月山に行くことも可能ですが、写真を撮りながらだと絶対に無理!登山客も多くて、人がどいてくれるのを待っている間だけでも刻一刻と時間が過ぎさっていく。 茶臼岳は、那須ロープウェイであがったところからすでに視界は開けています。 これから茶臼岳に登る登山客の列ができていました。 僕も負けじとぐんぐんと高度をあげていきます。登山道は、岩石でゴロゴロしていてなかなかの険しさ。 それにも関わらず、軽装の登山客が多いのはこれまた驚きである。サンダル履きの女性も何人か見かけましたが、さすがにこれには閉口せざるをえない。靴も登山靴を履いているひとのほうが少なく、スニーカー履きの人のほうが多かったです。 登山道は上に行くにつれて徐々に険しくなり、景色もどんどん見晴らしがよくなっていきます。しかも、雲がほとんどない快晴の青空。富士山には登ったことがないけど、まるで富士山に登っているような感覚だ。あまりに素晴らしい景色に交通渋滞のストレスも一気に吹っ飛びました。 そしていつも思うことですが、登っている最中にあまりの景色の良さに何度も立ち止まって写真を撮ることがあります。それはまだ頂上の素晴らしい景色を知らないからであって、最初から頂上の景色を知っていれば途中で写真を撮ることもなかっただろうなぁーと下山するときに思うことが多い。結局は、頂上からの眺めが最も素晴らしいことのほうがほとんどだからです。 そして、いよいよ山頂。山頂には、那須嶽神社があります。青い空、とても気持ちが良い。 茶臼岳山頂は、富士山のようにお鉢めぐりできるようになっており、1周するだけでもかなり見ごたえ十分です。 噴火口からは、白い煙がもくもくと空に立ち上り、硫黄の匂いが漂っていました。 頂上は小学生ぐらいの遠足の登山客が多く、あちこちでヤッホーの声がこだましていました。那須ロープウェイの山頂駅からの拡声器を使ったアナウンスも頂上まではっきりと聞こえてきます。 遠くを見やると、朝日岳の山容が見えます。 15時ぐらいを回ると、「いまから頂上に登られたり、頂上の裏側に行きますとロープウェイ最終時刻に間に合わなくなります」という親切なアナウンスまで流れてきたりしました。峠の茶屋に車を止めている場合は別として、ロープウェイを利用して登ってきた登山客は、ロープウェイを逃してしまうと、2時間半かけて下っていかなければならないためです。 最終が16時24分だから、そこから2時間半というと下に到着するのは19時。太陽は山の陰に隠れて、登山道は日陰になり、次第に薄暗くなる森の中を、万一にでも熊と遭遇する危険性も含めて下っていくのはさぞ心細く、不安に駆られることだろう。 しかし、僕の最終目標は、山に登れば誰もが撮れる昼間に山の写真を撮ることではありません。山に残っていたものでしか撮れない、夕日や星空、朝もやに包まれる景色、そして一筋の光をとらえることが目標なのです。そのためには、いつか山頂付近にテントを構えて一夜を過ごせるようにならなければならないでしょう。 とはいえ、山は昼間はキレイですが一旦、日が落ちてしまうと山のシルエットほど怖さを感じるものはありません。現段階ではあの真っ暗な闇の中で山頂でひとり一夜を明かす勇気は、まだない。もっともっと経験を積んでいろんな山を制覇できるようになりたいな。 僕は15時頃に下山を始めました。周りの登山客は、トレッキングポールを使っている人はほとんどおらず、たどたどしい足取りで両手を岩に突いて支えながら降りていました。こんな便利なものをなぜみな使わないんだろう?と不思議に思ってみていました。下るときにしゃがむ動作をすることがどれだけの体力を消耗するのか、それを理解してもらいたいものです。 自分のストックを前景に入れて写真を撮ってみました。 かわいそうに思うのは、山に連れてこられた子供たちです。親はスイスイ降りられても、ちょっと怖がりな子供は急な砂利道になるたびにほとんど座った状態で恐る恐る降りているのを見かけました。トレッキングポールがあればそんなにヘッピリ腰にならずに降りられるのに・・・と思いながらも、他人の子供だからそんなことはいちいち口をださずに横目で眺めているだけです(笑)。 僕も山を知っているとは到底言い難いのですが、登山への理解がもっと多くの人に伝わって欲しいと思うばかりです。山頂の景色に後ろ髪を引かれる思いで下山していきます。上にいけばいくほど空の青が濃くなっていくことを実感できます。 日が傾き始め、立体感のある影がではじめました。ほんとは行きたかったけど時間の都合で断念した南月山へと続く道が見えています。 ロープウェイに到着し、下山。車で帰る途中、殺生石という観光スポットに寄ってみました。殺生石一帯には硫化水素、亜硫酸ガスなどの有毒ガスがたえず噴出しており、「鳥獣がこれに近づけばその命を奪う、殺生の石」として古くから知られているそうです(Wikipedia)。 殺生石は特に面白いわけではありませんが、興味のある方はいってみてください。殺生石を見終えた後は、高速道路の大渋滞に巻き込まれながら帰宅の途に着きました。 渋滞はうんざりしましたが、天気の良い日に茶臼岳にこれたことはとても良かったです!紅葉の時期にまた来て見たい山ですね。 さて、次はどんな山にいけるかな♪わくわく☆ まだ歩き始めたばかりなのだ。 |